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英語のイントネーション(抑揚)改善で伝わる英語へ! 基本&応用ルール8つ

目次

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英語を話すうえで、「英語っぽくない」ことが大きな悩みの1つである人は多いのではないでしょうか。

この悩みの主な原因の1つは英語のイントネーション、つまり「抑揚」です。

日本語は「棒読み言語」、英語は「リズム・波乗り言語」と呼ばれ、イントネーションに大きな違いがあります。

「英語っぽく」会話をするためには、この日本語と英語の言語上の違いを理解したうえで、ルールを把握して練習をするという流れが必要です。

今回は、英語のイントネーションを劇的に改善する方法をご紹介します。

クイズでウォーミングアップ

まずはウォーミングアップです。次のセンテンスを自然だと思う英語で音読をしてみてください。

1. How about going to Starbucks tonight? 2. Which do you like better, the city or the country?

【答え】

詳しい解説は後述しますが、1つ目は "going, Starbucks, tonight" が強く発音され、文末は下げ調子で発音できればOKです。

2つ目は、"Which, like, better, city, country" が強く発音され、better を下げ調子、the city を上げ調子、the country を下げ調子で発音できればOKでしょう。

イントネーションとは棒読みの日本語・波乗りの英語

日本語は「棒読み言語」、英語は「リズム言語」や「波乗り言語」と呼ばれます。

「こんにちは」の言い方を例にとって見てみましょう。

日本人は一般的に単調に発音するのに対し、外国人の方が「こんにちは」と言うのを耳にすると、強弱をつけて発音していることが多いのに気づいたことがあるはずです。

強く発音している部分は「アクセント」(英語圏では「ストレス」と呼ばれます)がつけられ、通常「長くはっきり」発音されます。

逆にアクセントのない残り部分は「短くぼやっと」発音するのです。これが英語特有のリズムを生みます。

皆さんがよく知っている言葉を例にとると、「マクドナルド(McDonald’s)」は英語圏では「マクダ−ノーズ」のように発音されるわけです。

イントネーションはセンテンス内にある複数のアクセント

上述した例は単語単位で発生するアクセントで、「語強勢(word stress)」と呼ばれます。

一方、1つのセンテンス単位でもアクセントをつける部分が複数あり、これを「文強勢(sentence stress)」と呼びます。

イントネーション(抑揚)とは、後者の文強勢によってセンテンス全体に音の上げ下げが生まれるリズムのことを指します。

音の上げ下げのイメージを見てみましょう。

この音の強弱はどのようにつければいいのでしょうか?

強弱のポイントは機能語と内容語の違い

イントネーションを作り出す音の強弱のルールは、実は非常にシンプル。

「相手に伝えるべき重要な情報かどうか」が基本です。

「今晩スタバに行かない?」という提案をする上うえで外せない情報はなんでしょうか。

答えは「いつ、どこで、何をする」を表す「今晩」「スタバ」と「行く」の部分です。

極端に言えば、この3つの単語さえ聞き取ってもらえれば、言いたいことは伝わりますよね。

センテンス内で強弱をつけるときには、これらを長くはっきり、そして強く発音するのです。

実はこの強弱を決めるときは、品詞によってある程度体系化することができます。

英語では相手にしっかり伝えたい情報を含む語のことを「内容語(Content Words)」、センテンスを作るうえでは必要だが、伝えなくても何とかなる語のことは「機能語(Function Words またはGrammar Words)」と言います。

TOEICの受験を予定している人は、「品詞」問題が出題されますのでこれを機会に、品詞について知識を深めてもよいかもしれません。

先程のセンテンスであれば次のようになります。

"Going Starbucks tonight?" のみでも聞き手は十分に話者が言いたい内容が分かるものの、文法は正しくないため、機能語の "about" や "to" が必要なのです。

※通常、疑問詞の "how" は内容語ですが、"how about" とコンビで使われるときに機能語とみなされるケースが多いため、この例では「弱」としています。

また、「弱」にあたる機能語の発音方法は「弱形(weak form)」と呼ばれ、その中に含まれる母音の多くは「あいまい母音(schwa)」という形で発音されます。

あいまい母音、シュワー(schwa /ə/)とは英語の主要母音である “a e i o u” ははっきりと発音されるのに対し、「ア」「ウ」や「エ」が混じったような音であいまいに発音される母音のこと。

①口に力を入れずリラックスして②口を半開きにした状態で、③暗くこもった感じで「ア」と言うことで、発音することができる。

英語の発音にはアクセントがおかれていない母音は、基本的にシュワー(schwa)で発音するというルールがあります。とても弱く暗くこもった発音のため、ほぼ聞こえないほど。

昔アメリカ人を「メリケン人」と言っていた時代がありましたが、これは "American" のアクセントが "e" にあり、"a" が schwa になることで昔の日本人には聞き取れなかったためなのです。

機能語であいまい母音が適用される場合に先ほどの例文をとると、"of" は「オブ[ɔv]」 ではなく、「ァブ[əv]」、"to" は「トゥー[tu:]」ではなく「タ[tə]」となります。

強調したいときに限っては、前者の「オブ」や「トゥー」のような「強形(strong form)」で発音することが可能です。

イントネーションの基本ルール(固定型)

イントネーションのルールは、上述した品詞による分類以外に、主に2つのパターンがあります。

肯定文、疑問文等のセンテンスの種類により「上げ下げ」が「固定」されるもの。話し手の意図や感情により「上げ下げ」が「変化」するパターン。センテンスの種類で変化するイントネーション

まずはセンテンスの種類によって上げ下げが「固定」されるパターンを確認しましょう。

ルール①|文末が下がる↘肯定文 I like listening to music.↘

「趣味は音楽を聞くことだよ」

否定文 I don’t like reading novels. ↘

「小説を読むのは好きじゃないな」

疑問詞を使った疑問文 What do you do in your free time? ↘

「趣味は何?」

ルール②|文末が上がる↗Yes/No 疑問文

Do you…? など Yes/No で答えを言うタイプの疑問文です。

Do you like listening to music?↗

「音楽を聞くのは好き?」

聞き返し

聞き取れなかったときや、確認のための聞き返しの際には文末が上がります。

A: Actually, I am a big fan of Johnny Depp. B: Johnny Depp?↗

「実は、ジョニデが大好きなんだ」 「ジョニデ?」

ルール③|and と or の上げ↗下げ↘

"and" と "or" は列挙した複数の語の最後は下げるのに対して、それ以外は上げ調子で発音します。資格試験ではTOEIC(SW)の音読パートでの出題が有名です。

I love watching movies like science fiction↗, love comedy↗, and American comic movies↘.

「映画、例えばSF、ラブコメ、アメコミ映画が大好きなんだ」

You can pay in cash↗ or use your credit card↘.

「現金払いかクレジットカードの利用ができますよ」

Which do you like better(↘), the city↗ or the country↘?

「都会と田舎どっちが好き?」

イントネーションの応用ルール(意図や感情による変化型)

ここでは話者の意図や感情により上げ下げが「変化」するパターンを確認しましょう。

ルール①|機能語だが重要なので強くなる

本来は重要度が低いため「短くぼやっ」と発音すべき語が、重要度が高いため「長くはっきり」と発音されることがあります。何らかの対比を意識するケースが多いです。

A: Is this his smartphone? B: No. it’s my↗ smartphone.

「これは彼のスマホ?」 「いやこれは『私』の」

"his" と "my" が対比されていて、my が重要な情報なので強く発音されます。

ルール②|重要度の違いをイントネーションで表明

イントネーションを変えることで、違った意見を表明することができます。

This↘ is my smartphone.

「【まぎれもなくこれが】私のスマホだよ」

This is my↘ smartphone.

「これは【まぎれもなく私の】スマホだよ」

ルール③|感情変化で上がる

「驚き」など、感情を伴った場合に上がる場合があります。

A: Sara broke up with Junichi. B: Oh really?↗ A: Yeah really. Plus, she has started to go out with Shun. B: What?↗

「SaraがJunichiと別れたんだ」 「え、マジ?」 「うん、マジ。それにShunと付き合い始めたよ」 「えっ?」

"Really?" や "What?" は驚きを表すため、上がります。

ルール④|上げ下げで感情や態度をコントロールする

同じセンテンスでもイントネーションの上げ下げにより、話し手の感情や態度をガラッと変えて表現することができます。

Try it again!↗

「もう1回頑張ってみて」

Try it again.↘

「もう1度やりなさい」

励ましの言葉をかけるときには文末を上げることが多く、それにより「前向き」な印象をもたせることができます。

逆に文末を下げると「冷たい気持ち」や「高圧的でマウントをとっている」ような雰囲気が漂うのがわかるはずです。

このようにイントネーションによって、本来の意図とは違うメッセージが相手に伝わってしまう場合もあります。イントネーションをマスターすることは、コミュニケーションを円滑に進めるためのマナーを知ることでもあるのです。

ルール⑤|意味を変えるための上げ下げ操作

同じセンテンスや表現でも、イントネーションの上げ下げにより意味を変えることができます。

Sorry Sorry?↗

「もう一度言ってもらえますか?【聞き返し】」

Sorry.↘

「ごめんなさい【謝罪】」

Excuse me Excuse me?↗

「もう一度言ってもらえますか?【聞き返し】」

Excuse me.↘

「失礼します【席をはずす】」「すみません【尋ねる】」

付加疑問文

「〜だよね?」という念押しのニュアンスを出す際に、文末に "〜, are you?" や、"〜don’t you?" 等が置かれたセンテンスを付加疑問文と言います。

通常は文末を下げますが、リアルに質問をしたいという意図がある場合は上げます。

You are tired, aren’t you?↘

「(こっちはわかっているけど)疲れているよね」

You are tired, aren’t you?↗

「(リアルに質問したいんだけど)疲れているのかなあ?」

"〜,are you?" 等は “right?” や “huh?” で代用されることが多いので、覚えておくと活用できるでしょう。

肯定文の文末を上げる

肯定文は本来文末を下げますが、上げることで疑問文と同様の意味を持たせることができます。疑問文を作るのが面倒な場合に、よく使われます。

He likes Johnny Depp.↘

「彼はジョニデが好きなんだ【事実の伝達】」

He likes Johnny Depp.↗

「彼はジョニデが好きなの?【Does he like Johnny Depp? と同じ意味】」

イントネーションを改善するための具体的方法ルールを覚える

英語は日本語以上に、発音のルールが体系化されています。今回ご紹介したルールを理解し、何度も声に出すことで自分のものにしましょう。まずは強弱を意識するところからスタートするといいですよ。

オーバーラッピング・リピーティング・音読・シャドーイング

英語は「音声言語」と言われるほど、「音」が重要な役割を持ちます。英語学習は常に音声活動とコンビにして進めましょう。

重要なのはスピーキングの機会を意識して作り、声に出すことです。

オーバーラッピングなど音声練習の方法の詳細はこちら。

英語力の伸び悩みは「ペラペラ」一歩手前のサイン?正しいオーバーラッピングとシャドーイングで会話力を向上させよう!

9月 4, 2017海外ドラマの視聴

海外ドラマや映画はとてもナチュラルなイントネーションを仕入れることのできる最強ツールです。気に入った場面は、モノマネ芸人のように俳優のマネをするのがオススメですよ。

レコーディング

自分の発音を定期的に録音しましょう。

客観的に自分のクセを把握でき、何を矯正すればよいのかを確認することができます。また成長記録にもなり、モチベーション維持にも役立つはず。SNSやYouTubeに共有してもよいでしょう。

イントネーションを底上げし、カタカナ英語を卒業しよう

英語のイントネーションをマスターすることは、カタカナ英語からの卒業、より「英語っぽく」話すこと、さらには「感情や意図」を適切に伝えるための手助けもしてくれます。

今日からイントネーションへの意識を高めて、練習を始めていきましょう。

Give it a try!↗「チャレンジしてみてください!」

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